没個性を称えよ、個性を解放せよ

ベッドに鎮座する人体風の奇怪なオブジェの落書き

ロシア留学20日目 @市街k

ボヤボヤしてたら前回の記事から4日も経っていた。4日前何をしたのかも覚えているか怪しい。記憶が薄れないうちに昨日今日の記録を残しておく。

 

【20日目】

朝からレーニン廟を見に行った。レーニン廟にはロシアの科学の粋が尽くされエンバーミングされたソ連建国の父 ウラジミール・レーニンの遺体が安置されている。レーニンはカザンの出で、幼少期から非常に頭が冴えていたという。何ヶ国語もの言葉を解し、演説の天才であった。

 

 

地下鉄を乗り継ぎトレブスカヤ駅に着き廟が位置する赤の広場へと歩いた。すでにレーニン廟の前には既に長蛇の列、それも100mはありそうな列が出来ており、廟の入口からはかなり離れた位置に並んだ。

 

f:id:petitsartre:20170918054928j:image

(また来てしまった)

 

ここ最近の朝は寒く1時間弱も並んでいると流石に冷え込んできたのだが何とか凍え死ぬ前に身体検査を通過した。廟に至る通路にはレーニンほかСССРの指導者達の墓が並び立っていた。失脚したフルシチョフの墓だけは後述する別の場所にあった。

 

f:id:petitsartre:20170918055009j:image

(スターリンの墓だけやたらと人気だった)

 

並んでいた間は正直死体見るのに何でこんな並ぶねんと思っていたが、廟に入りレーニンの眠る姿を見ると圧巻された。静寂の中、彼は赤い棺に眠る。その体は実は殆ど人工素材に置き換えられていると言えども、今にも目覚め、演説の一つでも観せてくれそうな程に生きた人間そのものであった。初の共産主義国家樹立を導いた彼へのこの国の尊敬を、安置室を歩いた1分に満たない時間だがこの廟は示していた。こういった意味がわからない文章を書くくらいには驚嘆した。

 

余談だが、レーニンの遺体に関してはやはりロシア政府内でも尊厳のために埋葬すべきではないかという議論が出ているらしい。まだ埋葬されていないのは、時のプーチン大統領高齢のロシア人の心の支え(なのか?)のために議論を延期延長して来たためである。何かレーニンを見に行く理由がある方はお早めに。

 

レーニン廟を出たあとは隣のグム百貨店のスタローバヤで昼食を済ませ、地下鉄に乗りスパルチヴナヤ駅へ向かった。ノヴォデヴィチ修道院へ向かう為だ。

 

f:id:petitsartre:20170918055133j:image

(どうなってんだこの建築)

 

少しややこしい乗り換えをやり抜きスパルチヴナヤ駅に着くも、駅から早速目的地と真反対の方向へ歩いていた。道端のカラスにも舐められたような態度を取られてしまった。呑気な日本人だ。仕方がない。それでも方向転換を何度かしてどうにか修道院に辿り着いた。

 

一緒に行った友人によるとノヴォデヴィチ修道院世界遺産らしいのだが、この日は残念ながら施設の多くが工事中で美しい外観を拝むことはできなかった。ここ以外でも最近は工事が多かったことから憶測するに、寒くなる前にとっとと工事を済ませるのだろうか。日本の観光ガイドはロシアの工事事情についても調査すべきではないか。

 

仕方ないので修道院域内をぶらつき、また遠回りして隣の墓地に行った。墓地に観光しに行くとは何事かとお思いになるかもしれないが、ノヴォデヴィチ墓地は自分が想像していた墓地とはかなり違った。ここには先ほど失脚したと行ったフルシチョフや、ロシアの文化芸術政治に貢献した偉人たちが眠っている。ショスタコーヴィッチやチェーホフの墓もある。

 

ロシアの芸術家や政治家たちの墓地はとにかく主張が強い。日本人が想像する統一規格的な墓とは大違いなのだ。不謹慎だが大変楽しめた。ここは是非赴いて実際に見て頂きたい。

 

墓を見て大満足した(?)あとは再び地下鉄駅へ歩いた。途中で大変人懐こい猫に出会い、10分ほど戯れた。昔は猫毛アレルギーだったのでビビりながら触ったが、どうやら体質が変わったようで特に何も起きなかった。猫に触ったのは10年ぶりくらいであったのもあり、実に愛くるしかった。猫の方もサービス精神旺盛。

f:id:petitsartre:20170918061610j:image

f:id:petitsartre:20170918061625j:image

(か゛わ゛い゛い゛な゛あ゛)

 

猫毛をジーンズにつけたまま地下鉄でトレチャコフスカヤ駅まで行き、駅近くの丸亀製麺で夕食にした。久々の日本食にノスタルジーを禁じ得なかったが、色弱が災いして天かすなどを乗せる台に置いてあったわさびをシーチキンと間違え(そもそもシーチキンが置いてある状況の方がおかしいと考えるべきである)、大量のわさびを投入したかけうどんで食堂を焼いてしまった。もう2度と淡い緑の調味料は使いたくない。

 

f:id:petitsartre:20170918061708j:image

(アホ)

 

朝から墓ばかり見た1日であったが、個人的にはこういった人間生活に近いオブジェクトを見る方が好きなようで、実に心が満たされた。最初は無目的だったので、墓散歩に誘ってくれた友人には感謝する。

 

今度は団地でも回ってみるか。