没個性を称えよ、個性を解放せよ

ベッドに鎮座する人体風の奇怪なオブジェの落書き

考:物欲センサー(前半)

今日の授業で興味深い人間の認知傾向について学んだ。

それはダニエル・カーネマン著「ファスト&スロー」において解説されていた

①少数の法則

②利用可能性ヒューリスティクス

である。

 

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
 

 

少数の法則とは、統計学における「サンプル数が大きいほどデータの信頼性が高い」という「大数の法則」を、人間はデータ数が少ないときにも適用してしまいがちという傾向で、プロの統計学者でもこれによく引っかかっているという。

例えば極端な例では、大学内の4回生200人に「今のゴリラ総長を支持するか」と尋ねたところ、75%が「支持する」と回答した、という結果が得られたとき、「その大学での学生による総長の支持率は高い」と推測で結論づけてしまうこと、などが該当する。実際は総長を支持する学生(しかも4回生だけ)が偶然にアンケート対象として多く選ばれただけかもしれない。しかも、4回生が何人いるのかにもこの結論は考慮していない。

 

また、利用可能性ヒューリスティクスとは、ある物事に関する情報が思い出しやすいほど、その物事の実際の存在感・強さなどを大きく見積もってしまうという認知傾向だ。

例えば、自分があるグループ活動の中でどのくらいの割合で貢献したか、ということを考える時、もし正しく自分の貢献度を見積もれているのなら、全員の貢献度を足すと100%になるはずだが、現実は往々にしてそれを超過する。なぜならば、皆自分がグループに貢献したことの方が思い出しやすいので、自分の貢献の印象が大きくなるからだ。

 

これらのような認知傾向は度々ヒトに謝った認識をもたらすものの、「泣きっ面に蜂」のように危険状態の連続を避けるために進化的に発達してきた機能であるとも考えられている。

 

今回これらを取り上げた理由は、これらを使えば「物欲センサー」に1つの説明を与えられそうだと思ったからだ。

 

物欲センサー

パズドラ、FGOデレステ等々、攻略にガチャ=運の要素が付きまとうゲームを嗜む人なら1度は聞いたことがあるだろう。

我々が『限定SSR[ドレスアップナイト]神谷奈緒を欲したときにガチャに特攻しても、彼女はその麗しい姿を現してはくれない。

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逆に、何となしに余興で友人にガチャを引かせたときに、『恒常SSRオーバー・ザ・レインボー神谷奈緒が突然傘を持って迎えに来てくれることがある。

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このような現象が起こった時、我々はその原因を「物欲センサー」に求めることであろう。例も挙げたしそもそもだいぶ人口に膾炙した概念ではあるが、物欲センサーとは「くじにおいて挑戦者の物欲を感知し、物欲がある時にはその対象をもたらさず、物欲がない時にはその対象をもたらすように確率を操作する」概念的機器である。

 

今回は物欲センサーについてHow(どのように生まれたか)とWhat(その概念の影響は何か=その概念を認識することで何が起こるか)ということを考察していきたい。

その際助けになるのが、冒頭に挙げた2つの認知傾向だ。

まあ実際は簡単に説明できるはずだが、今回は敢えてやってみようと思う。

(前半終)